2012年1月 3日 (火)

壬辰元旦

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


20120101_002 元旦の花は玉之浦。例年よりずいぶん早く、大晦日からふくらみ始めました。花入は須恵器の皮袋です。


20120101_003 濃茶は上林春松の後昔。井戸茶碗で練りました。ある方から整いすぎておとなしいという評価をいただきましたので、本歌ではないようですね。ひとまず御本井戸としておきましょう。我が家では濃茶だけでなく、日々の薄茶も点てて楽しんでいます。


20120101_004 お菓子はたねや製の菱花びら。こちらの花びら餅をいただくのは初めて。ふっくらとしていて形も良く、なにより餡が美味しい。


20120101_001 お雑煮は今年も福島から送ってもらったお餅に蕪、人参、干椎茸を合わせて。


20120101_005 正月はやはりお酒が進みます。年末にリカーショップを覗いてみると、ミロクにそっくりな猫ちゃんラベルのワインを発見!ドイツ、カール・ハインツのテーブルワインみたい。味はまぁ…それなり。背後に忍び寄るミロク。気になるのかな。

さらなる飛躍を祈念して乾杯。



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2011年12月31日 (土)

枯淡の大晦日

平成二十三年もいよいよ大晦日。過ぎ去った日々を振り返り、枯れた風情でしつらえてみました。


O_misoka2011_001 花器は室町時代の水瓶。発掘品らしく、一部が歪み、蓋も失われていますが、伝世品には見られない深緑の肌が気に入っています。花は立ち枯れの朮(おけら)。秋に我が家で咲いたものです。そういえば、今夜、京都の八坂神社では白朮火の授与がありましたね。


O_misoka2011_002 枯れた風情とは無縁のミロク。ますます元気です。今年も閑居清游をご覧いただきましてありがとうございました。来年もよろしくお願いします。



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2011年12月29日 (木)

師走の京都 2011 その三

Kyoto201112_03_001 三日目はまず三十三間堂へ。開門して間もない時刻に訪れたのは初めて。射し込む朝日が千体の千手観音を照らし出します。表情は実にさまざま。同じように見えても制作した仏師の個性が現れているんですね。風神の勢いある姿が印象的でした。

しばらく寺院が続いたので、神社に行きたくなりました。京都市内を西へ。桂川の東岸に鎮座する梅宮大社を目指します。


Kyoto201112_03_002 梅宮大社は橘氏の氏神で、県犬養三千代が奈良に祀ったのが始まりだとか。嵯峨天皇の皇后、橘嘉智子が現在の地に遷したそうです。


Kyoto201112_03_003 境内はのんびりとしていて狸と見紛う大きな猫が我が物顔で歩いていました。芸事にも霊験あらたかと聞きましたので、お守りを求めて御神籤を引くと……前日に続き大吉!


Kyoto201112_03_004 梅宮大社から西へしばらく歩き、桂川を渡ると、松尾大社です。こちらは正月の準備で大忙し。宝物館には松尾大社に伝わる神像彫刻が収められています。大きな三体は平安時代初期の作。近寄りがたい雰囲気……近年の調査で発見された神様たちも加わっていました。


Kyoto201112_03_005 帰路、参道脇にある和菓子屋の松楽に立ち寄り、よもぎ餅の奥嵯峨を買ってみました。形は小さいけれど、しっかり甘くて美味しい。焙じ茶によく合います。

一年の疲れを癒しつつ、新しい年の飛躍を祈願する贅沢な旅でした。



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2011年12月28日 (水)

師走の京都 2011 その二

二日目の朝は雪がちらちら……


Kyoto201112_02_001 朝食は京都らしく湯豆腐。本格的な木桶が嬉しい。


Kyoto201112_02_002 朝食後は館内を見て回りました。正月飾りの餅花をしつらえた坪庭や居心地の良い図書室をのぞいているうちにもう出発の時刻です。俵屋という宿をもっともっと知りたくなりました。ぜひ再訪したいですね。

買い物しながら京都の町をそぞろ歩き。以前、懐石道具を求めた古道具屋も覗いてみました。その時、気になっていた縁高がまだ売れていません。出来は良いのに十客揃だから?いずれ使う日も来ようかと思って購入。


Kyoto201112_02_003 午後は智積院へ。こちらでは長谷川等伯と息子の久蔵が描いた障壁画が展示されています。桃山時代の障壁画がいつでも見られるのは智積院ぐらいではないでしょうか。

等伯の楓図は大胆な構成、勢いのある筆使い、鮮やかな彩色で見る者を圧倒する迫力があります。久蔵の桜図は色数が少なく、筆致も穏やかですが、胡粉を盛り上げた桜の花は立体感があって豪華な感じ。久蔵はこの桜図を描いた直後に急逝したとか。まさに命をかけた作品なんですね。


Kyoto201112_02_004 智積院は庭園も名勝のようですが、現在は池を改修中……池を眺めなければ、なかなか風情がありました。

智積院に続いて三十三間堂へ行きましたが、閉門時刻を過ぎていました。そのまま宿に向かうのも味気ないので、すぐ前の養源院へ。


Kyoto201112_02_005 養源院といえば、俵屋宗達の杉戸絵と血天井が有名ですね。宗達の描いた白象や獅子はとてもユーモラスでポップな感じ。一方、天井には黒々とした血痕……養源院の天井には伏見城の廊下の板が転用されているらしく、そこには伏見城で自刃した侍たちの血が染みこんでいるそうです。説明してくれたおばさんも語りもなかなか真に迫っていました。
(つづく)



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2011年12月27日 (火)

師走の京都 2011 その一

今年も師走の京都へ。いつもは能楽を鑑賞したりしますが、今回は予定も決めずに出かけました。一年間慌ただしく過ごしたので、ちょっとぶらぶらしたい気分。


Kyoto201112_01_001 気がつくと車窓は雪景色……京都へ向かっているんですよね?


Kyoto201112_01_002 一日目はちょうど二十五日。北野天満宮で市が立つのを思い出しました。年の瀬のせいか境内は参拝客でたいへんな賑わいです。参拝後、御神籤を引いてみると……大吉!来年もいい年になりそう。骨董を眺めようと思いましたが、陽も落ちかけてほとんどの店が片づけ始めていました。もう少し早く出かければ良かったかな。


Kyoto201112_01_003 宿は俵屋旅館。京都で旅館に泊まるのは初めて。

入口に近づくと、すぐに出迎えてくれます。宿泊客がわかるみたい。古いながらもよく手入れされた玄関。ところどころに気になるしつらえがあったけど、部屋に直行。


Kyoto201112_01_004 今回は東雲へ案内されました。こぢんまりして落ち着きます。床ノ間には古筆研究家田山方南の軸と水仙。どの部屋も季節にあった書画が掛かっているとか。


Kyoto201112_01_005 おちつきは緑茶と蕨餅。蕨餅は本格的で、ぷるぷる感が違います。青竹の器も清々しい。

館内を見て回りたい気分ではありましたが、体が冷えてしまったので、食事の前にお風呂で温まることにしました。高野槙の湯船に体を横たえると、疲れと冷えが解けていくみたい。温泉ではないし、広くもないのに心地よい。石鹸、シャンプー、タオルなどアメニティグッズは全てオリジナルでこだわりが伝わってきます。


Kyoto201112_01_006 いよいよ食事。先附は蕪蒸し柚子餅掛けです。甘鯛と百合根のバランスが絶妙。出汁の味がはっきりしていて意外でした。


Kyoto201112_01_007 焼物に真魚鰹柚子庵焼。柚子がほのかに香って品が良く、我が家の茶事でも参考にしたい品です。


Kyoto201112_01_008 温物に鰤大根。この時期は鴨鍋が定番のようですが、鳥は苦手なので替えていただきました。氷見産の鰤は臭みがなく大根もよく味が染みて美味。

地味といえば地味な料理でした。でも、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、味にもメリハリがあって飽きさせません。料理は奇をてらう必要ないということを実感。堪能しました。

布団を敷いてもらっているあいだに館内を一回り。部屋に帰ると、すっかり準備ができていました。パジャマまでもオリジナルとは驚きです。お休みなさい……
(つづく)



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2011年12月18日 (日)

現地説明会-遠江国分寺跡の巻2011

磐田市の遠江国分寺跡発掘調査の現地説明会へ行ってきました。2008年2009年には参加しましたが、昨年度は参加しなかったので二年ぶりです。


Iwata2011_001 遠江国分寺跡発掘調査の現地説明会はいつも寒い時期に開催されます。今回も冷たい風がピューピュー吹きつけて寒い!十二月ということもあるのか参加者は少なく、磐田市教育委員会の方々が万全を準備を整えていたので残念です。


Iwata2011_002 今回の調査では金堂跡や塔跡に続いて東回廊跡でも木装基壇が確認できたとか。これで遠江国分寺の施設はすべて木装基壇になるらしく、他に例がないそうです。腐りやすい木材をなぜ基壇の土留めに使ったのか…想像がふくらみます。


Iwata2011_003 発掘された軒丸瓦が展示されていました。奈良の寺で出土するものよりシンプルですっきりしています。花を生けた素敵でしょうね。

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2011年11月14日 (月)

秋の展覧会紀行~京都編~

展覧会紀行、やはり京都へ行かないと。京都国立博物館では「細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション-」が開催されています(~11/23まで)。


Kyoto201111_001 まずはお昼ご飯。もちろんベジノートです。ランチにコーフ・カツレツがありました。コーフは小麦粉のグルテンを蒸したもの。肉を使わなくても満足感は充分。美味しくいただきました。


Kyoto201111_002 現在、京都国立博物館は大工事中。平常展示館は完全になくなっていました。収蔵品の多くは日本中に貸し出されているみたいで、あちこちの展覧会で見かけます。

特別展は煉瓦造りの本館で。閉館間際になってもけっこう混んでいました。都市の展覧会には熱心な観覧者が多いですね。

茶道具が少なかったのは残念でしたが、細川家にゆかりのある消息や武具、蒐集の美術品など展示品は多く、見応えがあります。印象に残ったのは鳥毛陣羽織。獣の毛皮ではなく、山鳥の羽毛で作られているものがそのまま残っているとは!ちょうど唐時代に鳥毛の衣装が大流行したという話を聞いていたので、絶妙なタイミングでした。


Kyoto201111_003 夕食は帰りの新幹線で和久傳の鯛ちらしをいただきました。お弁当にしては高価ですが、それだけのことがあります。鯛の薄造りが敷き詰められていてご飯が見えません。お弁当にありがちな卵焼きや揚げ物が入っていないのもかえって贅沢です。

11月も半ばというのに暑かった……これでは紅葉を楽しむ気分になりませんね。



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2011年11月 7日 (月)

秋の展覧会紀行~伊勢・尾張編~

文化の日、三重県明和町の斎宮歴史博物館に行きました。特別展「後醍醐-最後の斎王とその父-」が開催されています(~11/13まで)。南朝びいきの私としては見逃せません。


Saiku_rakuchawan001 前回訪れたのはもう三年前。その時は車でしたが、今回は新幹線と近鉄を乗り継ぎました。最寄りの斎宮駅は各駅電車しか停まらない静かな駅です。目の前は斎宮跡。斎宮歴史博物館にはのどかな田園風景のなかを歩いていきます。


Saiku_rakuchawan002 特に印象的だった作品は後醍醐天皇の手形が押された四天王寺縁起。つい今し方押したように朱色が鮮やか。後醍醐天皇の念がこもっているみたい。でも、どうして左手だけなんだろう……

後醍醐天皇の四天王寺縁起や足利尊氏の肖像画とも言われていた騎馬武者像など名品が並んでいたものの、テーマに合った作品が少なく、肩すかしでした。最後の斎王、祥子内親王はどこに出てくるの?といった感じ。期待していただけに残念です。


Saiku_rakuchawan003 帰路、名古屋で途中下車し、松坂屋美術館で開催中の展覧会「茶碗 今を生きる-楽歴代と時代を語る名碗-」も見てきました(~11/27まで)。

この展覧会、松坂屋創業四百年・松坂屋美術館開館二十周年を記念したものらしく、専用のケースやパネルを作って気合いが感じられます。図録も豪華です。

閉館間際とはいえ、休日なのに来館者は少なく、ゆっくり鑑賞できました。長次郎の茶碗はさすが。存在感があります。だけど、最近の楽茶碗はテカテカしていて使った形跡もありません。大事にすることと使わないこととは違う気がします。



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2011年10月23日 (日)

秋の展覧会紀行~東京編~

Art_fair2011_001 先週末、東京美術倶楽部で開催された東美アートフェアを訪れました。

東美アートフェアは美術商ごとにブースを構え、正札会とはまた違う雰囲気です。ここ数年、毎回出かけていますが、今回は凝った内装の店が少なく、その分、商品を多く並べているような気がしました。また、中国の美術品は人気があるのか、各店ともお値段が強気です……古美術品をたくさん拝見できて幸せ。

気になる茶道具がいくつかありましたが、熟考することにします。東京美術倶楽部に行くと、金銭感覚が麻痺してしまうから。


Art_fair2011_002 東京美術倶楽部だけで帰宅するのも惜しいので、根津美術館へ。開館70周年記念特別展「春日の風景-麗しき聖地のイメージ」が開催中です(~11/6まで)。なかなかマニアックな展覧会ですが、来館者が多くて驚きました。

御蓋山に仏たちが浮かぶ春日宮曼荼羅を見ると、かつて神と仏は一体だったんだなぁとあらためて実感。御物の春日権現験絵も二巻展示。登場人物の表情が豊かで、当時の様子がありありと伝わってきます。

先日の大津市歴史博物館では猿づくしでしたが、こちらは鹿。どの作品にも鹿が描かれています。写実的な鹿の彫刻も展示されていました。まるで近代の彫刻みたい。

好奇心に栄養補給の一日でした。



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2011年10月18日 (火)

秋の展覧会紀行~近江編~

ようやく秋めいてきました。秋の展覧会シーズン到来です。

今、滋賀県では「神仏います近江」という特別展が開催されています。ミホ・ミュージアム大津市歴史博物館滋賀県立近代美術館の三館を会場とした大規模なもの。これは見逃せません。


Ohmi2011_001 まず、信楽会場のミホ・ミュージアムを訪れました。こちらでは釈迦入滅から天台仏教の確立までをたどる「天台仏教への道-永遠の釈迦を求めて-」が開催されています(~12/11まで)。

印象に残っているのは伝教大師最澄の肖像彫刻。眉間に皺を寄せた厳しい表情で座禅する姿は「大師」というより修行僧みたい。

展覧会にはミホ・ミュージアムの館蔵品も並んでいましたが、テーマとあまり関係ないものもちらほら……

一日ではとても三館まわれないので、宿を取りました。展覧会にちなんで延暦寺会館です。


Ohmi2011_002 延暦寺会館は延暦寺の宿坊。もちろん比叡山の山腹にあり、かなり急な坂道を登っていきます。カーブが多く、陽もすでに暮れていたので、ヒヤヒヤしました。でも、その甲斐あって眺めは絶景!眼下にきらめく街のあかりがきれい。


Ohmi2011_003 翌朝は根本中堂のお勤めに参加。参加は自由でしたが、めったにない機会だったので。

延暦寺会館から根本中堂まではすぐ。一般の参拝客はまだ来ていません。根本中堂のなかは薄暗く、ひんやりした空気が流れていました。正面には1300年間燃え続ける不滅の法灯。

読経の後、宿泊客の平穏無事を祈念して名前が読み上げられました。ありがたいですね。


Ohmi2011_004 比叡山を下りて大津会場の大津市歴史博物館へ。こちらでは日吉大社の信仰に焦点をあてた「日吉の神と祭」が開催されています(~11/23まで)。

圧巻は100体の神像彫刻。神像彫刻はなかなか拝見できないので貴重な機会です。三月に続いて建部大社の女神像に出会えたのが嬉しい。甲賀市の八坂神社に伝わった神像は髪が角のように尖っていてサリーちゃんのパパを思わせます。表情もユーモラス。

気になったのは特別展の作品の一部が常設展のスペースにあったこと。並べきれなかったのでしょうか……


Ohmi2011_005 最後は瀬田会場の滋賀県立近代美術館。滋賀県内の仏像を中心とした「祈りの国、近江の仏像-古代から中世へ-」です(~11/20まで)。

見慣れた姿の仏像が多いなか、惣持寺(米原市)の天部立像が異彩を放っていました。口を裂けんばかりに開いて何か怒鳴っているような吠えているような。

三館のなかではミホ・ミュージアムが一番良かったかな。やはり作品の見せ方が上手いし、ショップやレストランも充実しています。一方、公立の二館はいろいろと古めかしい感じ。私立と公立の姿勢の違いなのかもしれませんが、博物館や美術館では展覧会を見るだけでなく、食事や買い物も楽しみたいですね。



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